2016/10/13

ハセツネCUP2016 完走者分析

ハセツネと言えば渋滞。
そして、渋滞の原因と言われているスタート整列の無秩序さ。
渋滞を避けるために分不相応な位置に並び、それが更に渋滞悪化を助長させているというのが専らの噂である。



※ちなみにハセツネでは目標タイムのプラカードが設置されており、参加者は各々の判断でプラカードの位置に整列することになっている。

では、実際に今年はどうだったのか?統計の知識は無いですが、ハセツネのリザルトを元に私なりに分析してみた。
ただし、このリザルトにはDNFのランナー(自分含め・・・)は考慮されていない。




表① スタートロスタイム別完走タイムの分布



スタートロスタイム、つまり整列順のことである。
理屈的には、完走タイム順に整列することで渋滞を最小限に留めることができるはず。(ただし、コースレイアウト的に渋滞が無くなるとは到底思えないけれど。。。)

今年の結果を見ると、なるほど、随分とまとまりのない分布表になっている。
ちなみに私が並んでいたのはちょうど「11時間台=SUB12」の最後方で、ロスタイムは1分10秒。つまり、1分10秒以内にスタートラインを越えたランナーはほとんどが「SUB12以内」(私より前)の整列位置からスタートしていたという整理ができると思う。

なお、1分10秒以内にスタートラインを越えたランナーは764人(39.7%)である。
実に40%近くのランナーがSUB12を目指してシノギを削ったというわけだ。


表② 浅間峠(CP1)通過時間別完走タイムの分布


次に、22km地点の第1関門である浅間峠の通過タイム別の完走タイムを整理してみた。

今年は雨上がりということもあり、日中は高温多湿、夜間はかなり冷え込んだりしてタフなコンディションとなったようだ。
そもそも、ハセツネのような長距離レースにおいて、完走タイムが必ずしもスタート時の整列順の要素として適正なのかどうか少々疑問が残る。

そこで、序盤の浅間峠通過タイムを要素として取り入れれば、トラブルによる失速の影響を最小限に留めることができるのではないか、と考えた次第。
富士登山競走でも五合目通過タイムでブロック分けしてるし。

すると・・・おぉ、これはかなり綺麗な分布になっている気がする。
ゴールが速い人ほど、浅間峠通過が早い。(なんか当たり前のことを言ってるような・・・)

参考までに、目標タイム別の浅間峠通過タイムは大体以下を目安に。一応、最遅タイムも掲載してみたものの、基本的に後半えげつなく速いランナーなので、あんまり参考にならないと思う(笑)


  • SUB8 2時間30分以内 (2/2人 100%) 最遅:2時間21分40秒(完走タイム:7時間48分46秒)
  • SUB9 2時間40分以内 (9/10人 90.0%) 最遅:2時間43分34秒(完走タイム:8時間28分38秒)
  • SUB10 3時間10分以内 (36/37人 97.2%) 最遅:3時間23分56秒(完走タイム:9時間46分23秒)
  • SUB11 3時間20分以内 (53/61人 86.9%) 最遅:3時間33分52秒(完走タイム:10時間54分12秒)
  • SUB12 3時間40分以内 (73/87人 83.9%) 最遅:4時間21分43秒(完走タイム:11時間54分55秒)
  • SUB13 4時間以内 (96/110人 87.2%) 最遅:4時間25分13秒(完走タイム:12時間55分29秒)



表③ スタートロスタイム別浅間峠(CP1)通過タイムの分布


再びスタートロスタイムの分布に戻り、今度は浅間峠(CP1)通過時間を軸に整理してみた。
表②でSUB12目安=浅間峠3時間40分以内で線引きすると、浅間峠3時間40分をオーバーし、スタートロスタイム1分10秒以内(申告タイム12時間より早い列)のランナー498人(65.2%)は皆分不相応な位置に並んでいたということになる。

もちろん、申告タイムはあくまで「目標タイム」であるので、当日走り始めて調子が悪かったり、前述したように当日のレースコンディションの悪さだったり様々な要素が存在するので、一概に整列場所が誤っていたとは言い切れない部分もある。
とはいえ、明らかにSUB12を目指してなさそうな通過タイムのランナーは少なからず存在しているのは事実だろう。


表④ 浅間峠通過タイム別完走タイム(スタートロスタイム1分10秒以内)


最後に、表②と似ているが少しノイズを取り払って、スタートロスタイム1分10秒以内(申告タイム12時間より早い列)の764人のランナーに焦点を当てて、浅間峠(CP1)通過タイムと完走タイムの分布を整理してみた。

スタートロスタイム1分10秒以内でスタートした764人の内、SUB12目安である3時間40分以内に通過したランナーは266人(34.8%)、そして最終的にSUB12でゴールしたランナーは183人(24.0%)であった。


まとめ

整列順が無秩序であることは明らかであり、改善の余地は大いにあると思う。
自己申告ではなく、運営側でブロック分けしてしまえばいいと思う。ハセツネ30Kのタイムとか色々利用するネタはあるのではないだろうか。

とはいえ、渋滞の原因を全て整列順の無秩序に求めるのはちょっと無理がある。
今のコースレイアウトだと、整列順を改善したとしても、結局後方の渋滞は全く解消されないはず。
ハセツネ30Kのようにロードを10km走らせたりしてトレイルヘッドまでに密度を薄くしていったり、参加者を減らさないと根本的な解決には至らないと正直思っている。

ハセツネをより長く愛される大会として続けていって欲しいので、このあたりの運用改善は是非とも進めていって欲しいと思う次第です。

1 件のコメント:

sasashin さんのコメント...

非常に参考になるデータをありがとうございます。事務局に必読していただきますね。
男女別もあるといいな。